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銘柄別アブサン品評
（テイスティングノート）

日本で入手困難なアブサンを中心に成分や官能検査による評価、 試飲者の感想などを掲載します

１．評価基準

absinthe and glass 　嗜好品の善し悪しを一律に評価することは非常な困難を伴う。 個人の味覚の方向性や、価値観に左右されることが大きいからだ。 一般にテイスティングノートは官能検査（人間の五感）だけで決めることが多いが、 我々は物理化学検査を中心とし、加えて官能検査で補う方向にした。
　評価の配分は成分試験が60%、官能試験が40%である。 アブサンはその容器やラベルなどもコレクションの対象となっているが、 我々の評価はあくまで中身のみが対象である。 検査項目はツヨン濃度、アルコール濃度、風味、エキス分（主に糖分）、色、添加物などで、 最高で100点である。成分検査は数値から機械的に算出するので極端なことを言えば 水でもアブサンとして得点を算出できる。

２．評価

銘柄タイプ評価(点）寸評入手法
デリリウム密造スペイン100 強烈なニガヨモギの風味は伝説である。糖分無添加なので砂糖に染み込ませる食べかたが最高。終売
ストロング 現地仕様スイス90 優れた風味。アニスが抑えられバランスが良い。口の中にいつまでも残る苦味がアブサンらしい。会員限定
ストロング 輸出仕様スイス85 現地仕様との違いはツヨン濃度保証がなく若干弱い会員限定
ストロング ＥＵ仕様スイス70 風味にさほど大きな違いはない。ツヨンは除かれている英国
ストロング イミテーション×評外 ネットに出回っているのがこれ。着色アニゼット欧州で販売
ズナスコファフランス70 やや甘くボディーの欲しい人にはよくあいます。会員限定
ズナスコファ イミテーション×評外 この銘柄はミテーションがとても多いです欧州で販売
ルオールフランス55 合成着色はいただけないが、美しい会員限定
シュルツロシア55 有名な密造家だったが、長い歴史の中で味は落ちてしまった会員限定
ヒルロシア40おいしいとは言い難い会員限定
ハプスブルク 赤イギリス35 入手容易な物では良い部類大手卸店で密輸
ハプスブルク 緑イギリス35 赤よりアルコールが低いタイプ大手卸店で密輸
トレーネイギリス30 色は美しい。現代の人工着色の成果卸店で販売
プロバンス アブセンテフランス20 とても甘く、アブサン風味は少ない。アニスリキュールの味卸店で販売
ヘルメス アブサン？0 名前だけで日本の恥小売店
ラ フィーフランス評価中 博物館の再現にしてはあまりに寂しい風味予定無し
マヤンスペイン評価中 代表的スペイン風味。甘く激しい色彩検討中
キングフランス評価中 最終浸漬工程を瓶の中で行うユニークな品。枯れ草色は懐かしい雰囲気。 しかし、メーカー自身が最も高価なアブサンと胸を張る会員限定

３．個別所感

　会員や試飲者から寄せられた感想をまとめました。

デリリウム

　スターアニスの風味を持ち、スペイン風である。黄色がかった緑で、 人工着色されていないことが見て取れる。 加水後すぐには白濁しなかったため、不審に思ったが、時間と共に激しく 白濁し、それが分離していく様には驚いた。 　味はニガヨモギの風味が極めて激しい。また、多様なハーブ類が調和しており、 一度口にすれば忘れられない風味が残る。単なるニガヨモギ酒（薬草酒）を 頂いたことがあるが、とても飲めた物ではなかった。 その点でデリリウムの芳香は非常に好ましく、さすがはアブサンである。

ストロング 現地仕様

　現在入手可能なアブサンの中でダントツの人気を誇る。

ズナスコファ

　ストロングより甘みがあり、アニスの香りもしっかりしている。 現地において最も人気のある銘柄である。それだけにイミテーションが多く、 正規品の入手にはかなりの苦労を伴う

（以下、順次掲載）

４．問題業者について

（本件は法的問題に発展する恐れがあるので、掲載については検討中です）

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